Tableau Prepを使い始めています。
もうソフトウェアがリリースされてしばらく経過していますが、OSのインストール要件が64ビットであったため32ビット環境のPCでは使えなかったので放置。PCがWindows10 64ビットに入れ替わたったため、徐々に触れています。
同じような環境で利用を見送っている企業もまだ多いのではないでしょうか。
この記事では、Tableau Desktopが中級?程度の利用者より、はじめて触れたTableau Prepの印象、特長、効率の良い学習方法をご紹介します。
参考 Tableau Prep for Business Intelligence
tableau prep とは
公式ページを見てもなんだかふわっとした説明でつかみところがない…と感じるのは私だけではないかと。

Tableauはカッコよく決めようとして説明が雑な件について。
Tableau Prepとは、平たくいうと分析前にデータを準備するいわゆる「クリーニングツール」。Tableau Desktopをある程度使われている方は次のような経験はないでしょうか。
- Excelの正しい使い方が分かっていない人が作ったデータの不毛な整形作業。
- 表をいろいろなファイル、データソースから結合、ユニオン。
- データに余計な文字が含まれているので計算フィールドの関数で除去。
- 様々な条件下におけるNull値との格闘。
私もそうなのですが、実際にグラフで描画する作業よりもデータを整える時間のほうがはるかに長いです。データって、分析を行う人が想定するように作られていないことが結構ありますよね。

データが衛生的でないのは想定済みだわ

そんなベテランはさておき
Tableau Prepはこのデータ準備作業を別のソフトウェアでやろうというツールです。
以前は、「Project Maestro(プロジェクト・マエストロ)」という名前でプロジェクト推進されていて、2018年春より正式ツールとして公開されました。この頃は、カンファレンス等で名前を聞いても私はまじめに聞かずスルーしていました。
Tableau Prepのライセンス・費用
Tableau Prep自体は単体製品として販売されていません。
Tableauのライセンスプログラムは2018年の春に一新されています。製品ごとのライセンスから、役割別(アクター別)のライセンスになっています。Tableau DesktopやTableau Serverというソフトウェアは存在するものの、その製品名では現在購入できなくなっています。
Tableau Creator
Tableauのすべての機能を使う人向け。Tableau Desktop, Prep Builder, Serverすべて使えるCreatorライセンスが一つ含まれる。
Tableau Explorer
Web経由でデータを操作・分析する人向け。TableauにオンラインでアクセスするためのExplorerライセンスが一つ含まれる。
Tableau Viewer
主にデータを閲覧する人向けのライセンス。Tableauへオンラインで参照するためのViewerが一つ含まれる。

ライセンスが新しくなった当初、ほぼ翌日に代理店を呼び寄せたら全く把握していなくてしどろもどろになっていたのは笑いモノだわ。
Tableau Prepは、上記の中のライセンスプログラムの中でTableau Creatorに含まれます。また、無料版のTableau PublicではTableau Prepをつかうことができません。
新ライセンスプログラムではなく、旧ライセンスプログラム以前にTableau Desktopでライセンス購入を行っている個人や企業はソフトウェア保守の契約を継続していれば、Tableau Prepのライセンスを提供してくれたと思います(2020年6月末で終了)。
よく見ると、Tableau Prepは2種類の機能(Builder, Conductor)に分かれるようです。Creatorに含まれるのは、Builderのみのようです。
Tableau Prep Conductorについてはバージョン「2019.1」~の新機能とのことで別途アドオン購入する必要があります。
- Tableau Prep Builder
- データの結合、形式変換、クリーニングなど基礎的なデータフローを構築する。
- Tableau Prep Conductor
- 組織全体でフロー管理(データフローのスケジュール、監視、管理)を支援する。
Tableau Prep Builderの機能(できること)
触れたのはBuilder部分のみなのでそちらをご紹介します。
Tableau Prepで出来ることはTableau Desktopでもできる
ちょっと意外かもしれませんが、Tableau Prepで得られるクリーニング効果というか出力結果というものはTableau Desktopでもできます。
じゃあ何で別のツール?ってことになりますが、効率性の話になります。
Tableau PrepはTableau Desktopよりも「データを俯瞰してみる」ことに優れているのでクリーニングで出力する結果までのプロセスが短縮されます。
データを俯瞰してみる、全体像を把握する
データの全体像をより分かりやすく。主要なビューは次の三つです。
- フローペイン
- データ準備の全体プロセスを可視化する。
- プロファイルペイン
- データの定義が可視化される。
- データペイン
- エクセルで一番見慣れた行が並ぶ表。
クリーニングのプロセスはフローで可視化

引用元:Tableau
Tableau Prepの画面はパッと見、Desktopのデータソース画面みたいな感じなのですが見た目の大きな違いは「フローペイン」の存在。データを綺麗にするまでの過程がステップ毎に分割されます。
どのステップでどんな処理をしているのかが把握しやすい。フローは並列、それぞれ独立させて作っても良いし、途中から分岐させても良い
データの修正をよりインタラクティブに

引用元:Tableau
データの定義が可視化されるプロファイルペイン。修正したデータがあれば実際のデータに影響させることなく直接操作することができる。
データの準備と分析で役割分担ができる
Tableauには、計算フィールドという緩いプログラミング言語的な機能がありますが、苦手な方もいるのではないでしょうか。
複雑な計算処理は得意な人に丸投げ、分析したい人は抽出ファイル(.hyper, .tde)で本来の分析処理を行うといった社内での役割分担が可能になります。
Tableau Prepのトレーニング方法
あまり情報がないTableau Prepですが、いくつか学習方法をご紹介します。
Tableau Prepだけを使い始める方ってちょっと想像できないです。事前知識として、Tableau Desktopを多少なりとも触れていたほうがよいと思います。
公式動画トレーニング
おなじみですね。現在のところは日本語コンテンツがないようです。そのうち、リリースされるとは思いますが。わかりやすいかわかりづらいか述べるとすれば後者です…
公式ヘルプ
サイトヘルプ、PDF形式の資料が公開されています。いずれも英語です。体系的にはまとまっているものの、使い方を把握するまで時間を要しそうです。
▲ マニュアルはちょっとリンク切れも多いですね… ちょっと困りもの。
Udemyの学習コンテンツ(動画)
たまたま見つけて試しました。今のところ、Tableau Prep関連の本・書籍もほとんどないですよね。
Udemyは、大人をターゲットとしたオンライン学習プラットフォーム。そんなUdemyにもTableau関連でコンテンツをアップロードする数少ない日本人がいるようです。
Prep関連で探すと… 日本人は現在のところひとりだけのようです。講師は、Tableauの各種カンファレンスでの登壇実績のある方(木田 和廣氏)で私もいくつかセミナーを拝聴したことがあります。
海外のものだと、Tableau User Groupで活躍されている方(Dustinさん)が動画を投稿されています。この動画は、データ分析・可視化コンテンツで価値のあるコンテンツを提供する「Maven Analytic」ブランドとなっています。
参考 Tableau Prep for Business Intelligence
すでに購入していますが、動画自体は分かりやすいです。
公式の動画トレーニングは日本語化されていませんがこちらであれば日本語でコンテンツを聞くことが出来ます。木田氏がツールのツボ、日本人が知りたいポイントをよく抑えています。

コンテンツは全てで5時間程度、セクションにいくつか分かれているので時間がなければ細切れで分割して学習できます(実際、私も1週間くらいにわけて閲覧しました)。
時短効果が高いので調べて消耗するくらいならさらっと動画で見てしまうのはアリです。Tableau Desktopに触れてある程度使えている方なら動画を見ながら少しPrepに触れるだけでほぼ使いこなせるようにはなります。
Udemyについては次の記事にしています。今はPCだけでなく、スマホやタブレットでも効率よく学習できる環境が出来上がっています。
立替になりそうですが、領収書の発行も可能です。
まとめ
Tableau Prepとは何か、概要と機能を初心者目線よりご紹介しました。少しずつソフトウェアに触れて慣れていきたいと思います。時間があるときにこの分野の記事投稿をするつもりです。