Excelのピボットテーブルを記事として扱います。
昔からExcelの標準機能として実装されつつ、オフィスなどの現場では使う人・使わない人が分かれる機能ではないでしょうか。
私もあまり使ってきませんでしたが、BIツールを使うようになって再び有効性を認知しました。ピボットテーブルでデータを多角的に扱えるとデータ分析の幅が広がります。
Power Query, Power Pivotに興味ある人は、標準のピボットテーブルも知っておく必要があります。
Excelピボットテーブルとは何か
ピボットテーブルは、MicrosoftのエクセルやGoogleのスプレッドシートなど一般的な表計算ソフトに備わっている機能の一つです。データを要約して視覚的にわかりやすく表現することができます。
データ可視化、データビジュアリゼーションというとBIツールばかりが着目されてますが、行列データを組み合わせて使うという点で、ピボットテーブルもBIツールもやっていることは同じです。
できること・できないこと

なぜピボットテーブルが必要か?

テーブル(表)であれば、普通のエクセルでもいいじゃん

まぁ、普通にそう思いますよね。では次のような注文明細があったとしましょう。

下記の質問にすぐに答えられますか?(このデータは1万行程度あります)
- 2018年にもっとも売上が高かったのはどの都道府県か?
- 東京都で相対的に売上がもっとも高かったのはどの年か?
- 2018年から2019年の間で売上の減少傾向が見られたのはどの都道府県か?
1番、2番はエクセルのオートフィルターで時間をかけずに答えを探すことができると思います。
3番になると別の表を作ったり、関数を駆使したり、はたまた目視で答えに行き着こうとする探す人が出てきそうです。
ピボットテーブルは、すでにある表を要約(集計)してデータから知りたいことを導くことに長けています。また、初めて見るデータであってもピボットテーブルを使ってデータの概観を知る上でも有効なツールになっています。
ピボットテーブルを使った上記の回答
ピボットテーブルを使えば一瞬です、関数も不要。

Q1. 2018年にもっとも売上が高かったのはどの都道府県か?
- 行ラベルへ「都道府県」を入れる
- 列ラベルへ「オーダー年」を入れる
- 値へ「売上」を入れる
- フィルターで2018年を指定する
- あとは並べ替え(データバーはおまけ)

Q2. 東京都で相対的に売上がもっとも高かったのはどの年か?
- 行ラベルへ「年」を入れる
- 値へ「売上」を入れる
- フィルターで都道府県・東京都で指定する
- あとは並べ替え(データバーはおまけ)

Q3. 2018年から2019年の間で売上の減少傾向が見られたのはどの都道府県か?
- 行ラベルへ「都道府県」を入れる
- 列ラベルへ「オーダー年」を入れる
- 値へ「売上」を入れて、計算方法を「基準値との差分(基準列はオーダー年)」にする
- カラースケールでプラスとマイナスを視覚的に
どの視点から数字を見るか(BI視点)
ピボットテーブルは、行と列、フィルターを駆使して自分が導きたいデータ、数字を見ることになります。特に「列」は重要な概念となり、数値が入っているのか、数値以外がはいっているのかきちんと意識する必要があります。
BIツールでは一般的に、数値フィールドを「メジャー(あるいは指標)」、非数値フィールドを「ディメンション」と表現します。
ディメンション(dimension)の辞書上の意味には「〔物事の〕側面、様相、特質、特徴」というものがあります。指標はディメンションを変更することでいろんな見方をすることができます。たとえば、Webサイトの分析では「クリック数」という指標でパフォーマンスを測ることがあります。

クリック数は、国別、デバイス毎、URL単位など視点を変更することができます。この視点を変更できる機能を持つのがディメンションです。ピボットテーブルも分析したい数字(メジャー)をどの視点でとらえて答えを導くか、という使い方になります。
ピボットテーブル 5つの利点
追加費用なしで使えてしかも強力な分析ツール
大抵の企業にMicrosoft Excelが導入されているでしょう。
ピボットテーブルは標準機能で使えます。機能を使うための追加費用は必要ありません。それでいて強力な機能、正しく使えばデータから正しい答えとインサイト(気づき)を導くことができます。
汎用性が抜群
エクセルは多くのひとがつかっていますので、汎用性が高く、渡したファイルは他の人も見ることができます。

私は、TableauというBIツールを使うことがありますが、値段が高いソフトウェアなので導入数に制限がでます。いくら便利でも汎用性が高いとは言えません。

せっかく綺麗なダッシュボードを作っても人に見てもらわなければ意味ないわ。
テーブルを使った視覚表現
データバーやカラースケールなどの条件付き書式、ピボットテーブルのカスタムスタイルを適用すれば、テーブルの視認性を高めてデータの重要な部分に意識が向くようになります。
動作が早く正確性が高い
フィルターやスライサー、計算フィールドを使いこなせば、何十万行もある表でもあっという間に集計できます。それでいて正確性が高いです。

1日かけてエクセルを切り貼り、関数を使って表を集計したのに、計算が間違っていたと気づいた時のショックと来たら… もっと早くピボットテーブルを知りたかった!
表現の柔軟性
ピボットテーブルは「レポートのレイアウト」を使うことでテーブルの表現方法を変化させられます。また、同じデータからいくつもピボットテーブル・グラフを作ることができ、データでストーリーを伝えられます。
データの更新もボタンを押すだけなのでカンタンです。
ピボットテーブルで求められるエクセル形式・データ構造
ピボットテーブルの分析を行う前に、分析に適した表を準備します。エクセルならなんでもいいわけではありません。とはいえ、難しい話ではなくシンプルなテーブル構造を持っていれば大丈夫です。



上記はシート上部にヘッダー情報が含まれており、行列の見出し部分に複数行、複数列結合されています。また、データが最後に合計処理されています。ピボットテーブルにする前に、シンプルなテーブル構造へ手直しする必要があります。ちなみに、パワークエリを使えばその修正もやってやれなくはありません。

報告書類や議事録をエクセルで作っている人には理解できないわ。
まとめ
ピボットテーブルの概要について記事投稿しました。
最近、すこし忙しくマイペース投稿なのですが、ピボットテーブルやパワークエリの使い方やTipsについても徐々に触れていきます。
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