データポータルを使った円グラフ(ドーナツグラフ)の作り方を記事投稿します。
データポータルでは、円グラフとドーナツグラフを簡単な操作で作ることができます。基本、グラフ挿入するだけなのですが細かいオプションがわからず、かゆいところに手が届かないという人もなかにはいると思います。
今回の投稿で、データプロパティ、スタイルプロパティの詳細を含めていじり方を記事投稿します。
データポータルの円グラフ(ドーナツグラフ)
2種類の円グラフを作ることが出来ます。


1つのディメンションと1つのメジャーで作ります。
単純な操作では階層化はできない仕様です。スタイルプロパティを駆使すれば、複数のグラフを組み合わせることで擬似的に階層構造を表現することは可能です。
- 2種類の円グラフ(穴ありなし)
- 1つのディメンション、1つの指標で作る
- ディメンションが分類になり、指標で割合が決まる
- 円グラフの区切りはスライスと呼ぶ
- スライスはディメンションの数に応じて10個まで自動生成される
- ディメンションが10個以上あるときは、最後が「その他」でざっくり処理

ディメンションってなに?っていう人はBIツールの基礎概念がかけているわ。次の記事を読みましょう。
統計学の世界では嫌われる円グラフ

私は、データポータルとは別にBIツールとして有名なTableau(タブロー)を職場で使っています。Tableauのセミナーや講習でまず言われるのですが、Tableauでは円グラフを推奨しないと言われます。
これは統計学者一般に言えることのようで、円グラフの情報伝達能力や人間の割合認識能力が影響しているようです。
統計学者は、円グラフを情報伝達能力が低いとする傾向がある。円グラフはビジネスや報道ではよく使われるが、科学分野ではあまり使われない。理由の1つは、棒グラフなどに比べて個々の領域の大きさを比較するのが難しいためである。
~(中略)~Wikipedia「円グラフ」
ベル研究所の研究によると、人間による角度の比較は長さの比較ほど正確ではない。このことは右の図で示すことができる。3つの円グラフとその下にそれぞれ同じデータから描画した棒グラフがある。円グラフでは各領域の大小比較が困難だが、棒グラフでは容易に大小比較できる[8]。しかし、目的が合計(円全体)と各領域(扇形)の比較で、各領域が全体の25%か50%なら、円グラフの方がわかりやすい。
テレビでいいように使われる円グラフ
科学分野では積極利用されない円グラフですが、書籍・雑誌、報道ではよく見ますよね。最近、不思議な円グラフを時おり見かけることはないでしょうか。
データポータルを使われる方は、正しい用法で使いましょう。
円グラフ(ドーナツグラフ)の作り方
以下、いずれかの方法です。

上部の「挿入」メニューから円グラフを選択して挿入します。
この場合は、デフォルトで円グラフ(パイチャート)が出来上がります。スタイルからあとでドーナツグラフへ変更することも可能です。

二つ目の方法は、グラフを追加から挿入する方法。こちらの場合は、円グラフかドーナツグラフかを挿入時点で選べます。
データプロパティ
ディメンションを変更する

▲ グラフ追加したら、最初にディメンションを目的のものにしておきます。ディメンションを選ぶことで目的の分類を表示することができます。
指標を変更する

▲ 指標が複数あれば、意図しないものとなる場合があります。その場合は目的に適った指標を選びます。
指標の集計方法を変更する
集計って合計、平均、最大値、最小値など指標をどういう観点で数え直すかという概念です。

Googleのサービスから取ってくるアナリティクスやサーチコンソールをデータソースとして使うと、集計方法が「自動」となって変更できない仕様のようです。

自分で作ったスプレッドシートとかだと選べる余地があります。
日付範囲を変更する

▲ 円グラフを放り込んだ時は日付の期間がデフォルトで自動(過去28日間)になっています。期間は任意で変更することができます。
- 絶対指定(任意の期間)
- 過去7日間
- 過去14日間
- 過去28日間
- 過去30日間
- 今日
- 昨日
フィルターを適用する

円グラフ・ドーナツグラフの表示内容を任意フィールドでフィルターすることができます。
「フィルタを追加」→「フィルタを作成」で設定画面が表示されます。

▲ エクセルとは画面は異なりますが、使い勝手は同じです。
- 名称
- データソース(一つで作業していれば指定不要)
- 一致条件 or 除外条件
- フィールド
- 条件
- 次に等しい(=)
- 含む
- 次で始まる
- 次と一致する正規表現
- 次を含む正規表現
- 次に含まれる
- nullである
- 条件に一致させる「文字列」を入力する
- 複数条件にしたければ、OR/AND演算子で「1.〜6.」を繰り返す
インタラクション(対話インターフェース)

インタラクションは、グラフ閲覧者向けの操作インターフェースとなります。
一定の対話インターフェースを用意することで、レポート閲覧者自身で分析できる環境を提供します。

「フィルタを適用」はBIツールによくある機能です。円グラフ・ドーナツグラフの項目を選択することで他のグラフのフィルターとして使います。

「並べ替えを有効にする」では、指定しているディメンションに応じた並べ替えオプションを提供します。


円グラフの元となっているデータをCSV、Excel、Googleスプレッドシートでダウンロードすることも可能です。
今回、データ元はサーチコンソールを使っていますが、全てのデータがダウンロード対象というわけではなく、あくまで円グラフを構成しているデータのみが対象です。
スタイルプロパティ
スライス(分類数)を制御する
スライスとは、円グラフを構成する分類数です。デフォルトは10となります。「スライス数>ディメンション項目数」であれば全てが表示されて、「スライス数<ディメンション項目数」だと10個目が「その他」扱いとなります。
配色を変更する
- 単一色
- 円グラフの順序
- ディメンションの値
円グラフの配色はデフォルトでは、「ディメンションの値」となっています。これは他のグラフを作った場合でも同色が使われるようにするための設定です。


(左から右へ指標が多い順で並んでいる)

(他のグラフと統一色にすることができる)
ドーナツ中心の大きさを変更する

配色設定の下の方にドーナツ中心の大きさを変更できるオプションがあります。
データラベルを変更する
円グラフやドーナツグラフの中に表示されている数字の書式設定をここで行います。

- フォント設定
- 色、サイズ、フォント種類
- データ項目
- 割合・ラベル・値・なしのいずれか
- テキストのコントラスト
- 高・中・低・なしのいずれか
背景と枠線
- 背景:色、枠線の角丸半径、不透明度
- 枠線:色、太さ、スタイル(実線、波線、点線、二重線)
- 枠線に影をつける


凡例
- フォント:色、サイズ、スタイル
- 表示場所:なし、右揃え、下揃え、上揃え
- 配置
- 表示場所が右揃え:上揃え、中央、下揃え
- 表示場所が下揃えか上揃え:左揃え、中央、右揃え

こんな時は?(円グラフの応用)
綺麗にレイアウトする
レポートを綺麗に並べるにはコツがあります。Googleデータポータル のレイアウトとテーマの機能を把握しておくと、綺麗なデザイン性のあるグラフをかけるようになるかも。
ドーナツの真ん中に文字やスコアカードを入れる

Googleデータポータル のグラフは重ねあわせることができます。
指標をテキスト表示させるグラフタイプ「スコアカード」を円の中心におけばそれっぽくなりますね。
まとめ
データポータルを使った円グラフ(ドーナツグラフ)の作り方を記事投稿しました。設定項目が多いので困惑しそうですが、一つずつ動作を確かめることで理解が深まります。
参考 Udemyで見れる Google Data Portalに関する入門動画
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