ピボットテーブルを思い通りに「選択・クリア・移動・コピー」していく。

ピボットテーブルを思い通りに「選択・クリア・移動・コピー」していく。 モダンExcel

ピボットテーブル分析タブにある「選択・クリア・移動・コピー」について、記事投稿します。

少し地味な操作説明になりますが、結構大事なトピックです。特に後半の選択・コピーについては、ピボットテーブルのインスタンスを複数扱えるようになるとよく使うことになります。

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ピボットテーブル分析タブのアクション操作

操作方法については、次の動画にもまとめています。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル分析タブのアクション操作)

今回の記事では、「ピボットテーブル分析」タブの「アクション操作」に焦点を当てます。

「アクション操作」で行える操作は次の通りです。

メニュー 操作 説明
クリア すべてクリア(C) フィールドリストの定義内容をクリアし、ピボットテーブルをブランク状態にする
フィルターのクリア(F) レポートフィルターやスライサーの設定をクリアする。
選択 ラベルと値(A) 特定の行や列のラベルと値を選択する
値(V) 特定の行や列の値のみを選択する
ラベル(L) 特定の行や列のラベルのみを選択する
ピボットテーブル全体(T) レポートフィルターを含み、ピボットテーブル全体を選択する
選択範囲を有効にする(E) 特定の行や列の選択範囲を有効にする
ピボットテーブルの移動   ピボットテーブルをブック内の任意のワークシートやセル上に移動する

クリアする

すべてクリア

すべてクリア」を選択すると、ピボットテーブルがブランク状態に戻ります。フィールドリストで指定していた行ラベル・列ラベル・値・レポートフィルターのすべてがクリアされます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(すべてクリア)
ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(すべてクリア)
アレコレメモ
アレコレメモ

オプション設定している項目はリセットされず、フィールドリストの定義のみがクリアされます。

フィルターのクリア

フィルターのクリア」を選択すると、レポートフィルターやスライサーで指定していたフィルターがリセットされます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(フィルターのクリア)
ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(フィルターのクリア)
ジャル
ジャル

フィルターされているのかされていないのか、よくわからないときに「フィルターのクリア」を使うと良さそうね。

選択する

ピボットテーブル全体の選択

この操作は、ピボットテーブルをコピーする際に使います。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル全体の選択)

▲ ピボットテーブルの適当な場所でリボンメニュー「ピボットテーブル分析」から「選択」、「ピボットテーブル全体(T)」を選びます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル全体の選択)

▲ レポートフィルターを含むピボットテーブルがすべて選択された状態になります。

正しくない選択方法

検証した限り、以下は正しくピボットテーブルが選択されておらず、コピーしてもピボットテーブルと認識されません。

  • ピボットテーブルの適当な場所で、CTRL+A で選択した場合
  • レポートフィルターを含まずに、ピボットテーブルをマウスで手動選択した場合

ピボットテーブルを全体選択したあとのコピー(複製)

正しい方法でピボットテーブルを選択して、CTRL+C(コピー)、CTRL+V(貼り付け)でピボットテーブルがコピーされます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル全体の選択したあとのコピー)

▲ 上記右側は複製して作ったピボットテーブル。レポートフィルターも複製されている。

一点、注意としては、フィルター動作です。

コピーしたピボットテーブルのフィルダー動作
  • レポートフィルターは、それぞれのピボットテーブルで独立して動作する。
  • スライサーは、コピー時点では共通となる。
    • フィルター連動させないようにするには、レポート接続の設定から外す。
ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル・スライサー設定)

▲ スライサーから連動を外すには、スライサーを選んだ状態で右クリックから「レポート接続の設定」で動作を外したいピボットテーブルを選びます。

ピボットテーブル一部の選択(行・列)

ピボットテーブル全体の選択ほど用途はないでしょうが、行や列の一部選択にも触れます。

全選択・一部選択の操作では、コピーのされ方が明確に異なります。

ピボットテーブル全選択・一部選択後のコピー違い
  • ピボットテーブル全体選択後にコピーすると、コピー先もピボットテーブルとして認識される。
  • ピボットテーブル一部選択後にコピーすると、コピー先はピボットテーブルとして認識されない。
アレコレメモ
アレコレメモ

したがって、ピボットテーブル一部選択の用途としてはテーブル上の一部を文字列として再利用したいケースとなるのでしょう。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択)

▲ テーブル構成によって多少、選択の挙動が変わります。ここでは、「レポートのレイアウト」を「アウトライン形式」、行と列に一つずつフィールドを入れたテーブルで説明します。

行見出しの選択

操作例で示しているピボットテーブルの行見出しは、「都道府県」となります。

行見出し、つまり全ての都道府県を選択するには、フィールドの見出し「都道府県」の上側をマウスオーバーします。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・行見出しの選択)

▲ すると、マウスポインタが「↓(下矢印)」に変わりますので、この状態でクリックを一度押すと、すべての行見出しが選択されます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・行見出しの選択)
列見出しの選択

操作例で示しているピボットテーブルの列見出しは、「顧客区分」となります。

列見出し、つまり全ての顧客区分の属性を選択するには、フィールドの見出し「顧客区分」の上側をマウスオーバーします。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・列見出しの選択)

▲ すると、マウスポインタが「↓(下矢印)」に変わりますので、この状態でクリックを一度押すと、すべての列出しが選択されます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・列見出しの選択)
特定の行の選択

操作例で示しているピボットテーブルの特定の行をコピーしたいとしましょう。

例えば、「茨城県」の行データのみ抜き出したい場合には、行見出しの「茨城県」のやや左側をマウスオーバーします。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・特定の行の選択)

▲ すると、マウスポインタが「↓(下矢印)」に変わりますので、この状態でクリックを一度押すと、「茨城県」のみの行を選択できます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・特定の行の選択)
特定の列の選択

操作例で示しているピボットテーブルの特定の列をコピーしたいとしましょう。

例えば、列見出し「消費者」を含むデータのみを抜き出したい場合には、列見出しの「消費者」のやや上側をマウスオーバーします。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・特定の列の選択)

▲ すると、マウスポインタが「↓(下矢印)」に変わりますので、この状態でクリックを一度押すと、「消費者」のみの列を選択できます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル一部の選択・特定の列の選択)
行・列選択後にラベルのみ、値のみの選択に切り替える

ピボットテーブル全体、あるいは行や列の一部選択後に、選択範囲を値、またはラベルに絞ることが可能です。

アレコレメモ
アレコレメモ

選択範囲のコンテキストで挙動は若干ことなります。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル、選択範囲の切り替え)

例えば、行見出しの「都道府県」を選択後、リボンメニュー「ピボットテーブル分析」から「選択」、「ラベルと値(A)」を選ぶと、ラベルだけではなく値も含めて選択できます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル、選択範囲の切り替え)
ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル、選択範囲の切り替え)
ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブル、選択範囲の切り替え)

ここからさらに、「ピボットテーブル分析」から「選択」、「値(V)」を選ぶと、値のみの選択になり、「ラベル(L)」を選ぶと再び、行見出しのみの選択に戻ります。

移動する

移動は同じブック内であれば、簡単です。

ピボットテーブルの適当な場所を選択した状態で、リボンメニュー「ピボットテーブル分析」から「選択」、「ピボットテーブルの移動」を選びます。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(ピボットテーブルの移動)

▲ 移動先は、新規ワークシートか、既存ワークシートです。セルは好きな場所を選べます。

別のファイルやブックに移動したい場合は、データソースとなる表も一緒に移動することになるかと思います。

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複製したピボットテーブルの使い道

さて、ピボットテーブルの選択や移動、コピーといった操作は何の役に立つのでしょうか。

アレコレメモ
アレコレメモ

やはり、どこにでも複製できることが強みです。複製してピボットテーブルごとに役割を与えることができます。これに気づくと表現力が広がります。

簡単な利用例をご紹介します。

同じ構成のピボットテーブルで違いをわかりやすくする

前年比やカテゴリ比較など同じ構成のピボットテーブルを横に並べると比較しやすくなります。フィルターで切り替えて表示してもよいのですが、レポート閲覧者に操作して欲しくないケースなら単純に複製して横に並べるだけでも十分、有用です。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(同じ構成のピボットテーブルで違いをわかりやすくする)

▲ 上記は同じ構成のピボットテーブルを3つ並べています。レポートフィルターの「オーダー年」でカテゴリ比率の変化を示しています。

スライサーでピボットテーブルを連動させる

同じデータソースから複数のピボットテーブルを作った場合に、フィルター動作を連動させたいことがあります。そんな時は、スライサーを使います。

スライサーは、視認性に優れたボタン形式のフィルターです。レポートフィルターに対するスライサーの利点は、視認性と拡張性です。

ピボットテーブル「選択・クリア・移動・コピー」(スライサーでピボットテーブルを連動させる)

▲ 複数のピボットテーブル間で一つのスライサーを共有し、動作を連動させると一つのピボットテーブルではできなかった表現ができるようになります。

ジャル
ジャル

ピボットテーブルに名前をつけると、スライサー設定時に選択しやすくなるのよ

まとめ

ピボットテーブル分析タブにある「選択・クリア・移動・コピー」について、操作方法と用途をご紹介しました。

同じデータソースからピボットテーブルを複製できるというのは、大きな利点ですのでアイデア一つでレポーティングのレベルが上がります。

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