Sharepointにおける不人気機能の第1位と呼び声の高い「チェックイン・チェックアウト」について記事投稿します。

ちょっとー、ファイルが編集できないじゃない。チェックアウトしっぱなしよ。

あー、ごめんごめん、ついうっかり忘れた…

持ち出したらちゃんと返してね。
こんな風景が日本のどこかのオフィスで毎日繰り広げられていることでしょう。Sharepointを使い始めたら誰もが一度は経験するような話です。
Sharepointにおけるチェックイン・チェックアウトとは
ずばり、排他制御機能のことです。

(翻訳)今、私がそれを使っているの。だから、あなたはそれを使うことができないわ
Sharepointの基本機能の一つであり、サイト上で一貫したバージョン管理を促す機能です。

(翻訳)使い終わったわ。何をどう触ったかメモして戻しておくわね

サイト上のファイルを変更する際、ユーザーは他のユーザーが編集できないようにしたい場合には、ファイルをチェックアウトします。チェックアウト状態が継続する限り、ほかのユーザーはファイルを編集することができません。
編集が完了したファイルはライブラリに戻しチェックインします。ファイルの変更はその時点から他のユーザーにも見えるようになり、別のユーザーも編集を行うことができるようになります。
ファイルを変更しない場合は、チェックアウトを破棄すればバージョン履歴には影響しません。
「Check-in(返却する)」「Check-Out(貸し出し)」をするというのは米語の図書館で使われる表現に由来します。意識的にチェックアウトしなくてもチェックアウト状態になっていて他のユーザーが編集できないというのは、記事冒頭にある通り、Sharepointあるある現象の一つです。

メリットとデメリット
- 誰が・いつ・(場合によってはどんな)変更を加えたかがわかる
- 厳密な変更管理・バージョン管理を行うことができる
- ファイル数を増やさないのでライブラリが綺麗になる(皆がルールを守れば)
- 共同編集を阻止することができる
- リテラシーが高くない人に説明するのが大変、めんどう
- 無意識にチェックアウトしてしまうと、他の人が編集できない
- 管理者で解除可能
なぜ初心者がはまりやすいのか
チェックアウトする行為やその状態がさりげなさ過ぎてわかりづらいからです。
- ドキュメントライブラリ
- サイトのページ(ページライブラリ)
- 画像や動画のライブラリ
- Teamsに埋め込まれた上記ライブラリ など
主としてライブラリ、ページで使える機能です。多くの人はページ編集はあまり行わないので、どちらかというとライブラリでファイルやフォルダで厄介者扱いされている機能ではないでしょうか。
ライブラリのデフォルトでは、機能は無効になっています。
もし、チェックイン・チェックアウトを明示的に行わなければいけない環境であれば、それは 管理者が意図してそのように設定した ということになります。おそらく、より厳密な変更管理が必要とされるファイル属性なんだろうと思います。
チェックイン・チェックアウトの使い方
ドキュメントなどのライブラリ
ドキュメント、画像、動画ライブラリなどは操作方法は同じです。
ファイルをチェックアウトする
ファイル編集時にチェックアウトが必須ではない環境(これが既定)では、ユーザー自身でチェックアウトを行います。

▲ ライブラリの一覧画面に移り、チェックアウトしたいファイルを選びます。「・・・」から「チェックアウト」をクリックします。


▲ チェックアウトを行うと一時的にメッセージが出たのちに、対象ファイル横にチェックアウト状態を示す赤いアイコンが表示されます。
ファイルを操作している人以外では、一覧画面上でファイルがチェックアウトされているか はこのアイコンを手がかりに把握します(ファイルを開いて編集しようとしてもわかります)。
ファイルをチェックインする

▲ ライブラリの一覧画面に移り、チェックインしたいファイルを選びます。「・・・」から「チェックイン」をクリックします。

▲ チェックインの際には、変更内容を記録するためにコメントを入れることができます。

▲ チェックインを行うと一時的にメッセージが出たのちに、対象ファイル横に表示されていたチェックアウト状態を示すアイコンは消えます。
なお、同様のチェックイン操作はファイル編集を終える際にも行うことができます。
チェックアウトを破棄する


▲ チェックアウトの破棄を行うと一時的にメッセージが出たのちに、対象ファイル横に表示されていたチェックアウト状態を示すアイコンは消えます。
なお、同様のチェックアウト破棄操作はファイル編集を終える際にも行うことができます。
一括操作を行う
チェックイン、チェックアウト、チェックアウトの破棄は一括で処理することも可能です。

強制的なチェックアウト破棄
チェックアウトが必須なライブラリでは、ユーザーの意図しないチェックアウトは日常茶飯事となります。その場合は、サイト管理者が強制的にチェックアウトを破棄することが可能です。
チェックアウトを必須にする
既定では、ファイルのチェックアウトは必須にはなっていません。より厳密なバージョン管理が必要とされる場面では、チェックアウトを必須にすることが可能です。

Sharepointポータル右上の⚙歯車から「ライブラリの設定」をクリックします。

▲ バージョン設定をクリックします。

▲ 設定画面下部のほうにある「チェックアウトを必須にする」の設定を「いいえ」から「はい」に変更して保存します。

これでファイル編集時にはチェックアウトが必須になります。この設定状況下では、新規ドキュメントを作ったり、アップロードした際にはファイルの初期状態はチェックアウト状態となります。
サイトのページ(ページライブラリ)
ページライブラリにもチェックイン・チェックアウトの機能が使われています。ファイルよりもこちらの方が暗黙的です。
編集を開始すると同時にファイルはチェックアウト状態になります。下書き保存の状態はもちろん、ページを「下書きとして保存」、「発行」、あるいは「変更の破棄」を行うまではチェックアウト状態が継続されます。
暗黙的なチェックアウト
ページの場合は、ページ編集を開始する行為そのものがチェックアウトとなります。
ファイルに比べるとチェックアウト操作が透過的なため、ページ編集途中で別の画面へ遷移してしまうと、チェックアウトしていることに気づきません。

下書きとして保存、公開、変更内容の破棄
サイトのページを編集できるのは、編集権限以上のロールを持つものとなります。

- チェックアウト
- ページ編集を開始する動作
- チェックイン
- 公開・再発行
- 下書きとして保存
- 変更はサイト閲覧者には見えず、共有の下書きとして編集権限以上のものが把握できる
- チェックアウトの破棄
- 変更の破棄
Teamsに埋め込まれたSharepointコンテンツ
TeamsはアプリとしてシェアポイントやListsを埋め込むことができます。
Microsoft365を使い始めたばかりの企業で、Sharepoint文化がないところでは、埋め込まれたアプリをSharepointとして認識できないことも考えられ、わかりづらい機能がさらにわかりづらくなります。
操作自体は、ヘッダーやサイドバーが非表示になっていること以外はSharepointと変わりません。

まとめ
Sharepointを使うものであれば、誰しも疑問に思うチェックイン・チェックアウトについて記事投稿しました。まぁ、仕組みがわかったから組織内で広まるかといったら、まぁそれはないでしょうね。