Sharepointリストの一覧表示、ビュー、フォームの使い方を投稿します。
クラシックUIでは今ひとつ直感的には使えなかったリストですが、モダンUIが主流になった今ではより使いやすくなりました。
列の作成、フィルター操作、条件付き書式、列の表示・非表示など以前よりも少ないクリック操作でできるようになっています。
モダンUIをまじめに触ったら便利でした
徐々に追いやられるクラシックUI
現状維持バイアスを解き放て!
Sharepointに触れるようになって数年ほどですが、自分が作るドキュメントとしてはエクセルを使う機会が年々減っています。最近では、Power Automateなんかも気軽に使えるようになり、自動でアイテム作成・更新なんてこともやっています。
便利に使うためにも基本となるリストの使い方を知っておく必要があります。
Sharepointリストの概要
リストの概要や、作る方法については、以前の記事で投稿しています。
この記事はできたあとのリストをどう効果的に使うか、という利用者視点の記事となります。リストの概念が今ひとつ、作り方もわかっていないのであればまずは上記の記事を先にみた方が良いです。
Sharepointリストの使い方
一覧表示の見方
見た目はエクセルのようなものです。ひとつひとつの機能を知ると便利に使えます。
一覧表示の変更方法
リスト表示方法が3種類あります。初期状態は「リスト」です。
- リスト
- 圧縮モード
- ギャラリー
▲ 新しくギャラリーというタイル形式の表示が加わりました。画像コンテンツがあるリストで使えそうです。
アイテムを開く・編集
▲ アイテムはタイトル列が表示されていれば、そこを開けば詳細フォームが表示されます。モダンUIになってから編集をそのまま行えるようになりました。
▲ まれにタイトル列がない場合は、アイテム行左のチェックボックスを選択状態にすると、メニュー上部の編集から閲覧・編集が行えます。
並び替え(昇順・降順)
モダンUIになって一覧画面上のクリック操作で並び替えができるようになりました。
- 文字列は「昇順・降順」
- 日付・時間列は「新しい順・古い順」
- 数値列は「大きい順・小さい順」 など
グループ化
列の属性により、すべての列ではありませんが、列単位でグループ化することができます。分類や日付などでのグループ化が可能です。
列を選んで「○○でグループ化」が表示されれば、グループ化されます。もう一度同じ操作をすると、グループ化が解除されます。
列の順序変更、表示・非表示
クラシックUIのときは、一覧表の列表示の定義を変更するには後述する「現在のビューの編集」が必要でした。モダンUIでは列のちょっとした順序変更、表示・非表示は一覧画面上でできるようになっています。
▲ 順番を変えたければ、列を選択して「(左 or 右)に移動」を選びます。
▲ 列を表示したくない場合は、列を選んで「この列を表示しない」を選べば一覧表示からは消えます。テキスト複数行などの列はレイアウトが崩れるので非表示を推奨します。
▲ 逆に、非表示の列を再表示する場合は任意の列を選んで「列の設定」→「列の表示/非表示」を選択します。
「ビューの列の編集」という画面が出るので、表示したい列にチェックを入れます。
この設定は、クラシックUI同様のビュー設定画面からも行えます(後述)。
フィルター
モダンUIでは、フィルターも一覧画面上で行えるようになりました。選ぶだけのようなフィルターであれば、ビューの設定画面に入らなくてOKです。
複雑なフィルターは、クラシックUIでもあったビューの編集を行います。
▲ 右上の記号からフィルターを呼び出します。項目が表示されている場合、表示されていない場合がありますが、目的の項目があれば選べばそれでフィルターできます。
フィルター項目は何を表示するかしないか制御できます。不要なフィルターは外せます。
▲ フィルターを開いた時に、目的の項目がなければその列を選んで「フィルターウィンドウに固定」を選択すれば表示されます。
たくさんフィルターしたけど、全て解除したくなったら、画像のボタンを押せば解除されます。
簡単な計算(合計→数/平均/最大値/最小値)
一覧画面から簡単な計算もできるようになっています。
▲ 文字列の場合は、行数の合計が見れます。
▲ 日付列だと、数/平均/最大値/最小値が計算できます。
▲ この列は、日付列をつかった集計値の列なのですがこれは計算できませんでした。集計値を集計できないというのはSharepointの仕様っぽい。
先日、集計値を計算できない件は先日遭遇し、なんとか解決しました。
書式設定
モダンUIで便利に感じたのが書式設定、カスタムCSS不要で装飾ができます。
▲ 書式設定したい列を選び、「列の設定」→「この列の書式設定」を選択します。
3種類の配色が選べます。
- 背景色
- 選択薬
- 条件付き書式
条件付き書式を選ぶと、エクセルライクにIF文を作って柔軟に色付けできます。
「背景色」「選択薬」で大抵は異なりますが、自動配色なのでイメージに合わないこともあります。
そんなときは条件付き書式が良いでしょう。
偶数行と奇数行
表形式の表示の場合、偶数行と奇数行で配色を変えて見やすくしたくなることがありますよね。
リスト右端の「すべてのアイテム」を押し下げ、「現在のビューの書式設定」という設定を選びます。
「交互の行のスタイル」「条件付き書式」の2種類で設定できます。
手軽なのは「交互の行のスタイル」です。
グリッドビューでの編集
グリッドビューでの編集というのは、エクセル的な操作のことです。
リストでちょっと煩わしく感じるのが編集フォームをいじっていちいち値を入れていくとき。同じ列にコピペで入力していきたいときは「グリッドビューでの編集」を使うと多少楽になります。
ビュー
ビューは一覧の見せ方を変更する概念です。
エクセルでは単一的な表示しかできません(列の表示・非表示を都度やればできるけど)。Sharepointのビューを使うと、場面ごとに一覧表示の内容を変更できます。
リストの右端にビューを切り替えたり、新しくビューを作ったりするための設定があります。
ビューは個人単位や共有(パブリック)で作ることができます。業務用途でビューを作っておくと便利です。
既定では「すべてのアイテム」というビューが作られます。新しいビューを作る場合は、「ビューに名前をつけて保存」を押してビューの定義を開始します。
クラシックUI時代のビュー設定を行うには、「すべてのアイテム」→「現在のビューの編集」をクリックします。
▲ 一覧画面からのビュー設定より少し細かくできます。
- 名前の変更
- 列の表示、順番の変更
- 任意列での並べ替え
- フィルター(複数条件で可能)
- グループ化
- 集計
- スタイル(モダンUIで意味あるのかな?)
- フォルダー
- アイテムの制限
- モバイル
クラシックUIの方が複数条件が使えたり、関数が使えますが、個人的にはこのUIがいつまで残るのか少し疑問です。
突然、なくなってしまいそうな気もするので私はなるべくクラシックUIでのビュー設定はやらないようにしています。
フォーム
3種類のフォーム(詳細・投稿・編集)
フォームは、アイテムを見たり編集したりするときの画面です。
概念的には、詳細フォーム、投稿フォーム、編集フォームの3種類あります。モダンUIでは詳細と編集が一緒になっていますね。
投稿フォーム
リストの一覧画面から「+新規」ボタンを押して呼び出すのが投稿フォームです。
詳細・編集フォーム
一旦、データが入力されて、リストのアイテムを開いた時に表示されるのが詳細・編集フォームです。見た目はほぼ同じ。
フォームの編集
フォームに表示される列は表示・非表示を制御したり、列の順番を変更したりすることができます。
アイテムを一つ選んで詳細・編集フォームのいずれかを開きます。
▲ 「フォームの編集」→「列の編集」か、Power Appsでカスタマイズでフォーム画面を編集できます。後者はこの記事ではカバーしきれないので前者のやり方のみに触れます。
操作は見たままです。
投稿者ではなく、初期値として何かを入れておく場合、または自動で値を入力させるときは非表示にしておくと投稿者の入力負担が減ります。
順番はビューとある程度、使い勝手がよくなります。
リンクのコピー
アイテム単位でリンクを発行できます。メール、Teamsで連絡するときに便利です。
▲ アイテムを選んだ状態で上部にある「リンクのコピー」でアイテム単位のリンクを発行できます。
その他
通知
リストで新規アイテムが発行されたり、編集・削除されたときに通知を送ることができます。任意の宛先にメール通知するようなケースで有効です。
▲ 「・・・」に隠れている通知を呼び出します。
▲ 通知先は電子メールやSMS、通知のタイミングも任意に変更できます。
リストから通知を送る方法については次の記事で掘り下げています。
Excelにエクスポート
▲ メニューバー「Excelにエクスポート」を選択してダウンロードします。
▲ 「query.iqy」というクエリーファイルがダウンロードされます。ウィンドウズ環境ではダブルクリックするとエクセルが開き、データが描画されます。
残念ながらMac環境ではこのファイルは扱えないようです。これは正常な動作で、どうしても開きたければウィンドウズを使いなさい、というのがMicrosoftの見解のようです。
A. Excelに出力するエクスポート機能は、出力時に選んでいるビューが影響します。ビューで表示列を絞っている場合、非表示の列はエクスポートされたExcel表に含まれません。
運用的には、エクセル出力用にすべての列を表示したビューをひとつ作っておくと便利です。
Power Apps
Power Appsは、マイクロソフトが提供するビジネスアプリを作るためのプラットフォームです。スマホやタブレットで使えるアプリを(人によっては)簡単に作ることができます。
リスト一覧上にPower Appsボタンがあります。リストの既存データを使って数クリックでそれっぽいアプリが作れます。もちろん、用途に耐えるアプリを作るには一定のカスタマイズが必要です。
自動化
自動化は、Power Automateで実現できます。Power Automateはマイクロソフトが提供するワークフローを作るためのプラットフォームです。
以前からSharepoint Designerで機能提供はされていましたが、とっつきづらいものでした。現在では、もっとカジュアルに使えます。
こちらもリスト一覧上に自動化ボタンがあります。すぐに使えるフローもありますが、業務要件を満たすためには一から作ったほうが早いです。
Power Automate / Apps については、2020年になって新しい書籍が刊行されています。詳細な解説で私も所有しています。
こんなときは?
表の周辺にテキスト文章、画像を入れたい
モダンUIではできなくなりました(クラシックUIではできました)。
リスト作成後に作られるリストページでは文章を加えたり、画像を入れたりというのはできないです。新たに「サイトのページ」を作ってそこにリストを挿入する必要があります。
表・フォームをCSSで装飾したい
モダンUIではスクリプトエディタが廃止されています。
でも、そこまで見た目は悪くないと思います。表示列を工夫してビューを増やしたり、GUIでできる装飾も綺麗で見やすいです。
それ以外では、列の書式設定からJSON/CSS記法でコードを記述することになります。マイクロソフトからそれなりの公式ドキュメントが出ています。
リストの応用例・活用例を知りたい。
気づいた時に書き足します。
以下は、一つのリストをビューで見た目を工夫した例になります。FAQというのは企業でもありがちなニーズのひとつではないでしょうか。
リストには「評価機能」が備わっています。既定では無効化されていますが、設定ひとつで星評価やいいね!などを閲覧者から取得することができます。
まとめ
クラシックUIを豪快にスルーしてモダンUIでのSharepointリストの使い方を投稿しました。
日に日にインターフェースに変化が見られるので置いていかれないようにしないと。
そのうち、クラシックUIは取っ払われそう。
早めに慣れないとある日突然慌てるわよ。