SharepointのクラシックUI時代からある定番の機能と言えば「お知らせ」機能。
モダンUIだと機能としての存在は目立たなくなりましたよね。
トップページやサイトコンテンツから +新規 と押せば、リストやドキュメントライブラリなどの定番アプリはすぐに作れるようになっています。
しかし、そこに「お知らせ」はない(定番アプリからの落選)。
まぁ、「アプリ」から「お知らせ」を探せます。
モダンUI以降のお知らせの使い方や運用の工夫について記事投稿したいと思います。
Sharepoint「お知らせ」機能とは
いにしえのクラシックUIからの残骸で、手っ取り早く社内の新規情報を知らしめるための機能です。
ポータルサイトを作ったら、理由はどうあれとりあえず設置しておきます。見た目はなんてことないただのリストで、そこに目新しい情報をせっせと投稿します。
お知らせリストを更新しておけばポータルサイトとしては動いている体(やっている感)を示せるという便利ツールです。
「お知らせ」とカスタムリストの違い
一見似ているのが「お知らせ」とカスタムリスト。二つに違いがあるのでしょうか。
似たようなものよ
ほぼないですね。
- お知らせの方が既定の列が多い(「本文」、「有効期限」)
- サイトコンテンツ上でアプリ表示したときにアイコンが異なる
ホーム画面やサイトコンテンツから空のリスト(カスタムリスト)を作った時の列構成は次の通りです。
一方で、アプリからお知らせを選んでリストを作った時の列構成は次の通りです。お知らせの方が既定列が二つ多いです(「本文」と「有効期限」)。
あまり重要ではありませんが、サイトコンテンツ上のアイコンが微妙に異なります。
以上のように、お知らせとカスタムリストで大きな違いはありません。必須と思われる「本文」「有効期限」などの列が既定で作られているというだけのアプリです。
「お知らせ」とディスカッション掲示板の違い
どちらもリストですが、ディスカッション掲示板のほうがよりコミュニケーション指向になっています。
- 投稿者からの一方的の通知
- 投稿に対して返信はできない
- 単純な通知に向いている
- 投稿者の投稿に対して他の人が反応できる双方向コミュニケーション
- 投稿に対して返信ができる
- 質問・問題の解決に向いている
でも、掲示板を使う必要性は薄れてきましたね。モダンUIであれば、Yammerの投稿内容を埋め込むことができます。
「お知らせ」とニュース投稿の違い
役割は似ていますが、リスト・ページと管理方法が異なっています。
- リストで管理される
- 閲覧数(アクセス数)がわからない
- 誰でも簡単に投稿・編集できる
- トップページに配置しても野暮ったい
- 不特定多数の投稿者がいる場合に向いている
- ページライブラリで管理される
- 閲覧数(アクセス数)がわかる
- 投稿・編集するのにコツがいる
- トップページに配置すると映える
- サイト管理者の投稿に向いている
お知らせはリスト管理、ニュース投稿はページライブラリ管理となります。また、従来のお知らせ機能はリストなので閲覧数・アクセス数は取得できませんでしたが、ニュース投稿にすると統計が取れます。
一方で、お知らせの更新は比較的誰でも投稿できますが、ニュース投稿はページ編集のお作法がわからないと投稿には苦労するはずです。
SharePoint「お知らせ」作り方・カスタマイズ方法
「お知らせ」を設置する
お知らせの作り方は2つあります。
- アプリから作る
- カスタムリストとして作る
アプリから作る
▲「ホーム画面」、あるいは「サイトコンテンツ」の +新規 ボタンから「アプリ」を選びます。
▲ 好きなアプリを選べる状態になるので、検索ボックスに「お知らせ」と入れてアプリを探します。あとはクリックすればOKです。
カスタムリストとして作る
空のカスタムリストと比べて、列が2つ増えただけなので自前で作ってもいいでしょう。追加する列構成は次のとおりです。
列名 | 列の種類 |
---|---|
本文 | 複数行テキスト(拡張リッチテキスト) |
有効期限 | 日付と時間 |
▲「ホーム画面」、あるいは「サイトコンテンツ」の +新規 ボタンから「リスト」を選び、適当な名前のリストを作ります。
▲ GIF映像では、本文列の入力方式を拡張リッチテキストにしています。標準アプリも同じ仕様で、このエディタを使うと画像、表、ハイパーリンクを挿入にすることができます。
使えるようになるまで
お知らせの機能として大抵の場合、トップページに表示して使うと思います。Webパーツとして入れる前に、トップページ用のビューを作っておくことをオススメします。
ビューを構成する
- トップページの一覧上で表示する列を決める
- アイテムの表示数を決める
▲ リスト構成からどれを表示するのが適切か決めます。
タイトルはリンクにもなっているので必須、それ以外なら投稿日時はあったほうが良いです。本文は列の種類が複数行テキストなので一覧表示するときれいにならないのでカット、有効期限はリスト表示の制御として使うのであってもなくてもよいと思います。
表示する列の設定は、リスト一覧画面上で変更できます。「列の追加」→「列の表示・非表示」を選びます。
表示する列・表示しない列が選べるようになるので使う列にチェックを入れます。
ここまでできたらビューに適当な名前をつけて保存します。
トップページにWebアプリを挿入する
ここまでできたらトップページにお知らせリストを挿入します。
▲ トップページのページ編集を開始して、Webパーツを埋め込みます。モダンUIは、直感的な操作でリストを埋め込むことができます。
▲ 入れ込んだリストのビューは既定の状態です(「すべてのアイテム」)。鉛筆ボタンを押してリストの詳細設定を行います。
▲ ビューをトップページ用に作ったものに差し替えます。ついでに、サイズからアイテムの表示数を変更できます。
こんなときは?
画像・表・ハイパーリンクを挿入したい
挿入したい列の種類を複数行テキストにして入力方式を拡張リッチテキストにすると画像・表・ハイパーリンクを埋め込むことができます。
このテキストエディタはワードのようなインターフェースですが、入力していくとHTML情報が書き込まれます。HTMLに素養がない人はこの挙動が理解できないらしく、
行間がやたら広い、もっと狭めたい
とSharepointあるあるな質問をしてきます。
あら、なんでかしら。運が悪いんじゃない?(面倒なだけ
これは改行を押すたびに段落(HTMLのP要素)として入力されるからです。メールなどからコピペで文章を入れると、改行コードのたびに段落が形成されるのでプレインテキストに比べると、行間が広くなります。
きれいに入力するには、
- 段落内の文章は切らずに入力していく
- どうしても途中で切りたくなったら Shift + Enter を押す(あまりオススメはしない)
このワードプレスも同じ要領で、同じ段落内では改行せず、文末まで文字を入れ続けています。途中改行は字数によっては表示がきれいにされないことがあるので個人的にはオススメしません。
モダンUIは、多くのデバイスで適切に表示されるレスポンシブデザインになっています。「Shift+Enter」を多様するとデバイスによっては、上記のように段落文章が途中で切れることがあります。
新着を明示したい
新規アイテムは、投稿時に一定の間、新規を明示する表示がついています。
上記以外でよりわかりやすく新着を明示するには、条件付き書式を使う運用が考えられます。登録日時を使って新着をわかりやすくしてみます。
(簡易モード)登録日時が今日以降だったらアイテムの列に色をつける
▲ 行ヘッダーの登録日時を選んで「列の設定」→「この列の書式設定」を選びます。
▲ 条件付き書式で「登録日時が今日以降なら色付けする」という設定を行います。
▲ ほかの投稿と区別された配色になりました。
(詳細モード)登録日時が今日から3日以内ならアイテムの列に色をつける
(後述)
有効期限切れを非表示にしたい
有効期限という列はありますが日付が経過してもリストの動作に影響するものではないです。リスト一覧上から有効期限切れを見えなくする場合には、別途ビューの設定で非表示にする必要があります。
▲ 一覧画面からビュー編集画面を呼び出します。
▲ フィルター設定で本日以降を表示という条件を加えます。
有効期限切れコンテンツが検索で表示されないようにしたい
ビューの設定で有効期限切れを非表示にした場合でも検索するとアイテムは見つけられます。
それも含めて表示されないようにするには、有効期限が切れたらリストからアイテムを削除する運用が必要になります。
情報管理ポリシーを設定する、あるいは Power Automate で定期削除するなどが考えられます。
承認されたお知らせのみを表示したい
標準機能ではできません。Power Automateでフローを作れば可能です。
- 承認状態を示す列を用意して、リストワークフローでその列を更新、ビューで表示を制御する
- 下書き用・公開用などリストを二つ用意し、承認されたら一方から他方へアイテムをコピーする
閲覧数を取得したい
リストは、アイテム単位に閲覧数・アクセス数を取得することができません。ニュース投稿を組み合わせると閲覧数を取得できます。
- お知らせ投稿自体をニュース投稿に切り替える(投稿の難易度は上がる)
- ニュース投稿の「ニュースリンク」機能を使い、お知らせリストのアイテムへのリンクさせる(投稿の手間は増えるが手軽)
更新されたらメールを受け取りたい
閲覧者がお知らせの通知を受けたければ、リスト管理画面から「通知」設定をすることによりメール通知を受け取ることができます。
▲「・・・」から通知を呼び出します。
▲ 細かく受信タイミングを決められます。よほどのことがなければ初期設定で十分です。
更新したら関係者にメールしたい
サイト管理側がお知らせリストを更新したら、特定グループにメール通知したい、あるいはTeamsのチーム・チャネルにメッセージ送信したいなどという場合は、Power Automateを使うことになります。
CSSで装飾したい
クラシックUIの場合は可能で、Webパーツとしてスクリプトエディタを使って好きなCSSを書き込めばOKです。
モダンUIはスクリプトエディタがなくなってしまい、一般的なCSS記述ができなくなりました。標準機能を使わない場合は、列の書式設定よりJSON記法でCSSを記述する必要があります。
どこまでの装飾を求めるかによりますが、既存のリスト機能でもわかりやすくはできます。
- 列の内容によって色を変える
- 一覧の偶数・奇数行で色を変える
- 条件付き書式を使う
上記程度であれば、以前投稿した記事に記載しています。
CSS/JSON記法にチャレンジしたい方は、以下にサンプルやお役たちサイトをまとめています。
まとめ
モダンUIにおけるお知らせリストの使い方とTipsを投稿しました。
マイクロソフトとしては、もっとニュース投稿を使って欲しいということだと思います。ニュースが投稿されれば、よく使うサイトのニュース記事は見つけやすくなります。
しかし、まぁ… モジュラー式となったページエディタは初見ではまず使えないですね。