Sharepointに慣れてくるとニーズが高まってくるのが通知設定です。
メール連携、Teams連携がわかるとSharepointリストの有効性を認識します。エクセルでは、とっつきづらいマクロを使わない限り同じようなことはなかなかできませんからね。
Sharepointの通知設定を覚えると、次のような使い方が可能です。
- 任意のカスタムリスト上にあるアイテムの更新を把握する
- お知らせ、予定表、掲示板を更新してメンバーに伝達する
- ファイル・フォルダの変更を把握する
- リストから定型文章をメール・Teamsで送る
この記事では、Sharepointのリスト、ライブラリの通知設定に触れます。すでに廃れたSharepointクラシックUIのタスクアプリは割愛、Plannerを使うべきでしょう。
Sharepointにおける通知機能
リスト、ライブラリなど標準実装された通知はGUIから設定できます。カスタマイズされた文章を送る場合には、Power Automateを使います。
設定方法 | Sharepoint標準 | 通知手段 | |
---|---|---|---|
メール | Teams | ||
通知による設定 | ○ | ○ | N/A |
ルールによる設定 | ○ | ○ | N/A |
Power Automate | – | ○ | ○ |
通知による設定は、クラシックUIのときからあった機能です。メール宛先や送付条件、頻度を指定可能です。
一方、ルールによる設定は、モダンUI以降で使えるようになったもので、通知による設定よりもインターフェースが簡素になっています。
ルールによる設定は、2021年以降に存在に気づきました。
通知による設定、ルールによる設定では、カスタイマイズされた文章やTeams連携はできません。その場合、Power Automateを使うことになります。ローコードによるプログラムなので柔軟性は高いです。
Sharepointからの通知方法
Sharepointのみで実現する方法
まずは、Sharepoint単体で設定する方法です。
通知設定を使ったメール送付
▲ リストのコマンドバー「・・・」で隠れたメニューより「通知」を選びます。
下記の通り、通知タイミングは柔軟性があります。よくわからない場合は、一旦デフォルトで設定して必要な場合にタイミング変更するといいでしょう。
- タイトル
- 送信先
- 配信方法
- 電子メール
- テキストメッセージ(SMS)
- 通知の対象
- すべての変更
- 新しいアイテムの追加
- 既存のアイテムの変更
- アイテムの削除
- 指定の変更に対する通知の送信
- 変更があったとき
- 作成したアイテム
- 作成したアイテムをほかのユーザー・グループが変更したとき
- 最後に更新したアイテムをほかのユーザー・グループが変更したとき
- タイミング
- すぐに通知する
- 日に一度通知する
- 週に一度通知する
▲ 過去に設定した通知は、リストのコマンドバー「・・・」で隠れたメニューより「個人用通知の管理」からいつでも変更・削除が可能です。
▲ 通知を設定すると、上記のようなメッセージを受信します。自分以外を宛先にする場合は、受信者にひとこと伝えた方がいいでしょう。
▲ 今回はアイテムの作成・変更が行われた時に通知がでるようにしています。変更の場合は、変更箇所がわかるようになります。
通知は、リスト/ドキュメントライブラリ/ページライブラリ(サイトのページ)などSharepoint内で広く使うことができます。
ルール設定を使ったメール送付
▲ リストのコマンドバー「自動化」より「+ルールを作成」を選びます。
以下の通知タイミングを選べます。多くの場合、「新しいアイテムが作成されたとき」を使うことになるかと思います。
- 列自体が変更されたとき
- 列の値が変更されたとき
- 新しいアイテムが作成されたとき
- アイテムが削除されたとき
ここでは「新しいアイテムが作成されたとき」を選んでみます。
▲ 送信したいメールアドレスを入力します。リスト内にある人物情報も指定可能です。追加はこれだけです。リストひとつ辺り最大15個までルールを作れます。
▲ 追加されたルールは、「ルールを管理」からいつでも参照可能です。ルールのON/OFFもあるので、一時的にルールを止めることも可能です。
▲ 実際に受信したHTML形式のメール。リストの変化をとりあえず知りたいという用途であれば十分かと思います。
Power Automateと組み合わせる方法
Power AutomateはGUIでワークフローを構築して、Microsoft365アプリやサードパーティ・アプリを複数組み合わせて通知、データ収集、ファイル操作などを行うクラウドサービスです。
ここではメール通知、Teams通知を試してみます。自由度が高いサービスなので、通知以外にも様々なアクションを組み合わせることが出来ます。
Outlook以外のメール、Slack、Twitter、複数のタスクアプリ、スマホのプッシュ通知なんかもあるわよ。
Power Automateはそれだけでブログコンテンツが作れるほど奥が深い自動化プラットフォームです。今回は概要説明は省き、通知のみに絞った設定方法のみご紹介します。
Power Automateは、Microsoft365の対応したプランを使っていれば使うことができます。
私はプライベートでビジネススタンダードのプランを使っており、Power Automate / Apps ともに使えるようになっています。
- 手順1フローの種類を決める
- 手順2トリガーを指定する
- 手順3アクションを構築する
- 手順4動作確認を行いリリースする
ここでは、以前ブログの記事にもしたFAQリストを通知のインプットにしてみます。リストではなくライブラリでも操作方法は大きくは変わりません。
手順1 フローの種類を決める
「新しいフロー」から「自動化したクラウドフロー」を選び、フロー作成を開始します。
「自動化したクラウドフロー」は、指定した条件が満たされると自動的に開始されるフローです。
手順2 トリガーの指定
▲ フロー名称とトリガーを指定します。ここでは次の通りとしました。
- フロー名称:「FAQからのメール/Teams通知」
- トリガー:(Sharepoint)項目が作成されたとき
何も指定せず、スキップして後から考えることもできます。フローは慣れると増えていくので、わかりやすい識別しやすいものにしておくことをおすすめします。
リストやライブラリから始まる処理であれば、フロー名称に次のようなものを含んでおくと良いでしょう。
- サイト名
- リスト・ライブラリ名
- 処理内容を短く
▲ 次の画面からフロー作成が始まります。今回のトリガーはSharepointリストの項目(アイテム)が作成されたときに処理が始まるフローです。
ここでは、以下を指定します。
- サイトアドレス
- リスト名
▲ サイトは右端の▽を選ぶと権限のあるサイトが出力されます。
▲ サイトを指定すると、サイト内のすべてのリストが候補で出てきます。通知対象のリストを選択します。
手順3 アクションの指定
メールの場合
Power Automateで扱えるメールアプリはOutlook、Gmailをはじめ複数あります。ここでは、Outlookを指定しました。
Outlookに関するアクションは数種類存在します。ここでは「メールの送信(V2)」を使ってみます。
▲ 以下を最初に入れます。
- 宛先:メールアドレス(Outlookの場合、いくつか文字列を入れると組織内で有効なメールアドレスが候補で表示される)
- 件名:わかりやすい件名を入れる
次に、本文を入れていきます。
▲ Power Automate特有の「動的コンテンツ」機能でトリガーや前の処理で指定したアクションなどから変数を取得できます。
▲ 本文欄では、ワードライクなエディターを使うことができます。多少、装飾をかけようとすると使いづらいので私はHTMLで本文を用意することが多いです。
Teamsの場合
続けて、Teamsにもメッセージを入れてみましょう。メッセージはチャットとして個人宛に送るか、チームのチャネル内に投稿することが可能です。
Teamsメッセージに関するアクションは数種類存在します。ここでは「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する(プレビュー)」を使ってみます。
▲ メッセージの投稿者をフロー所有者か、ボットを指定することができます。
▲ 投稿先はチャネルか、チャットを選ぶことができます。
▲ ここではフロー投稿者をボット、投稿先をチャネルにしてみました。チームやチャネル名は使っているものから選びます。
▲ 「Message(本文)」は、メールと同じ内容です。
通知のみであれば、これでアクションの構築は終わりです。
手順4 動作確認を行いリリースする
今回は、Sharepointの「項目が作成されたとき」をトリガーにしているので、実際にアイテムを追加します。
以下、メールの受信例。
以下、Teamsの受信例。
まず、速攻でクレジットカードを停止しましょう。
よく見ると、Q&Aになってないわね。
画像張り替えが面倒なので放置です
まとめ
Sharepointからの通知に焦点をあてて記事投稿しました。
リストにデータをあつめておき、Power Platformの機能を有効活用すれば、データの再利用が可能となります。通知以外にも色々できることがあります。
通知の宛先(メールアドレス、チャネル)などは試作時はテスト指定して、動作確認ができたら正規のものにすると良いでしょう。